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読み物 収蔵No. 004

中古Androidのバッテリー劣化はコマンド一つで丸わかり|Ubuntuとadbで残量・温度・健康状態を確認する方法

公開日 2026-07-10 / 所要時間:初回15〜20分・2回目以降は3分程度

中古のAndroid端末を購入したり売却したりするとき、バッテリーの状態は見た目だけでは判断できません。Ubuntu PCとUSBケーブルさえあれば、専門知識がなくても端末内部のバッテリー残量・温度・劣化状態を数値で確認できます。この記事では、Linux環境特有のUSB権限設定も含めて、「端末(ターミナル)」に短いコマンドを打ち込むだけでバッテリー情報を表示させる方法を手順ごとに解説します。

Macをお使いの方はMac版の手順はこちら、Windowsをお使いの方はWindows版の手順はこちら

見た目や体感では分からないバッテリー劣化

Android端末のバッテリーは、外見やカタログスペックからは劣化度が分かりません。充電の減りが早いと感じても、それが体感によるものなのか、実際にバッテリーが劣化しているのかを客観的に判断するには、端末内部が持つ数値データを取り出す必要があります。

スペック表にも書かれていない「今の」劣化度

メーカーが公表する電池容量は出荷時の数値であり、使用年数や充電回数によって実際の性能は変化します。特に中古端末を検品する際には、「現在この個体がどれだけ劣化しているか」という情報が欠かせません。

dumpsysコマンドで分かること

Androidには「dumpsys」というシステム情報を出力する仕組みが標準で備わっており、その中の「battery」領域には残量・電圧・温度・健康状態といった詳細なデータが記録されています。これはmacOSだけでなくUbuntuなどのLinux環境からも同じコマンドで呼び出すことができ、端末を分解することなく内部状態を確認できます。

事前準備|Ubuntu PCとデータ転送対応ケーブルを用意する

作業を始める前に、用意するものを確認しておきましょう。Ubuntuの場合はMacと違い、ログインパスワードを使う場面が複数回あります。

必要なものは3つ

  • Ubuntu PC(20.04以降を想定)
  • Android端末
  • データ転送に対応したUSBケーブル

100均ケーブルで失敗しやすい理由

100円ショップで販売されている「充電専用」ケーブルは、電力を送る配線しか内部に持たないことがあり、パソコンとデータをやり取りする通信機能がありません。そのため接続してもUbuntuが端末を認識せず、作業が先に進まなくなります。端末購入時に付属していたケーブルを使うのが最も確実です。加えて、Ubuntuへのログイン時に使うパスワードを、後述のインストール作業のために手元で確認しておいてください。

Ubuntuにadbを導入し、USB権限を設定する

Ctrl + Alt + Tで端末(ターミナル)を開いたら、adbの導入とUbuntu特有のUSB権限設定を行います。この権限設定を飛ばすと、後の手順で端末が認識されないため注意が必要です。

apt経由でadbをインストールする

以下を1行ずつ実行します。パスワード入力を求められても画面には何も表示されませんが、正常に入力されているのでそのままEnterを押してください。

terminal
sudo apt update
sudo apt install -y android-tools-adb android-tools-fastboot

インストール後、バージョンが表示されれば成功です。

terminal
adb --version

USBの権限設定をしておく(Ubuntu特有・重要)

Linuxでは、一般ユーザーがUSB経由でAndroid端末にアクセスするために、あらかじめ権限を設定しておく必要があります。

terminal
sudo apt install -y android-sdk-platform-tools-common
sudo usermod -aG plugdev $USER

前者は主要メーカーのUSB権限ルールをまとめて導入し、後者は自分のユーザーをUSB機器を扱えるグループに追加するコマンドです。設定を反映させるため、一度ログアウトしてログインし直すか、PCを再起動してください。

terminal
reboot

Android端末側の設定とUbuntuへの接続

adbと権限設定の準備ができたら、次はAndroid端末側で「外部からの接続を許可する」設定をオンにします。

開発者向けオプションとUSBデバッグを有効にする

「設定」→「端末情報」を開き、「ビルド番号」を7回連続でタップすると開発者向けオプションが有効になります。その後「設定」→「システム」→「開発者向けオプション」から「USBデバッグ」をオンにしてください。

ケーブル接続と許可の実行

USBケーブルでUbuntu PCとAndroid端末を接続すると、端末側に「USBデバッグを許可しますか?」というポップアップが表示されます。「このパソコンから常に許可する」にチェックを入れてから「OK」をタップすると、以降は接続のたびに確認される手間がなくなります。接続が正しく行われているかは、次のコマンドで確認できます。

terminal
adb devices

末尾にdeviceと表示されていれば認識は成功です。

dumpsys batteryコマンドで劣化状態を数値化する

いよいよ本題のバッテリー情報を取得します。端末(ターミナル)に以下のコマンドを貼り付けてEnterキーを押すだけです。

terminal
adb shell dumpsys battery

以下のような情報がまとめて表示されます。

output
Current Battery Service state:
  AC powered: false
  USB powered: true
  Wireless powered: false
  status: 2
  health: 2
  present: true
  level: 85
  scale: 100
  voltage: 4123
  temperature: 320
  technology: Li-ion

level・health・temperatureの読み方

表示された数値のうち、特に確認すべき項目は次の3つです。

項目意味見方
level / scale現在の充電残量level ÷ scale × 100 = 残量%(例:85÷100=85%)
healthバッテリーの健康状態2=良好/3=過熱/4=劣化(デッド)/5=過電圧/7=低温
temperature端末の温度表示された数字を10で割ると℃になる(例:320→32.0℃)

中古端末の検品では、healthが劣化を示していないか、levelが実際の残量と一致しているかを見ると、状態を客観的に判断できます。結果をファイルとして残したい場合は、次のコマンドでデスクトップにテキストファイルを保存できます。

terminal
adb shell dumpsys battery > ~/Desktop/battery_$(date +%Y%m%d_%H%M%S).txt

取得したleveldumpsys batteryの出力をそのまま貼り付けるだけで、バッテリーの推定最大容量を診断できるツールも用意しています。

→ スマバッテリー診断 for Android を使ってみる

つまずいたときの対処法と2回目以降の使い方

Ubuntu環境では、USB権限まわりのつまずきがMac環境よりも起こりやすい傾向があります。原因を切り分けながら対処しましょう。

no permissionsと表示される場合

USB権限設定が正しく反映されていないサインです。まず自分のユーザーがplugdevグループに入っているか確認します。

terminal
groups

出力にplugdevがなければ、以下を再実行し、必ずログアウト・ログインし直すか再起動してください。このコマンドはすぐには反映されません。

terminal
sudo usermod -aG plugdev $USER

それでも直らない場合は、udevルールを再読み込みします。

terminal
sudo udevadm control --reload-rules
sudo udevadm trigger

原因の切り分け用として、一時的に管理者権限で試す方法もあります(恒常的な使い方としては非推奨です)。

terminal
sudo adb devices

これで認識される場合は、権限設定が原因だと確定できます。

そもそもUSB機器として認識されているか確認する

terminal
lsusb

接続直後にこのコマンドを実行し、Android端末のメーカー名らしき行が増えているか確認してください。増えていない場合はケーブルまたはポートの物理的な問題です。

unauthorizedから進まない場合

terminal
adb kill-server
adb start-server
adb devices

を実行し、端末側に許可ポップアップが出たら「OK」を押してください。画面がロックされていると許可ポップアップは出ないため、ロック解除した状態で試すことが重要です。あわせて、端末の通知欄から「USBの使用」を「ファイル転送」や「PTP」に切り替えると認識されやすくなります。

2回目からは3ステップで完了

一度セットアップが済めば、次回以降は「端末(ターミナル)を開く」「ケーブルでつなぐ」「adb shell dumpsys batteryを実行する」の3ステップだけで、3分ほどでバッテリー情報を確認できます。

まとめ

Android端末のバッテリー劣化は、見た目や体感だけでは正確に判断できません。しかしUbuntu PCと対応ケーブル、そしてadbというツールさえ用意すれば、誰でもコマンド一つで残量・温度・健康状態を数値として取得できます。Ubuntuならではの注意点はUSB権限設定ですが、一度plugdevグループへの追加とログインし直しを済ませれば、以降はMacと同じ感覚で3分ほどの作業になります。中古端末の売買では、このひと手間が個体の状態を客観的に見極める大きな判断材料になるので、気になる端末があればぜひ一度試してみてください。