革靴のつま先が削れてしまい、気になっている方、修理をしたいがどうすればよいか分からない方も多いと思います。
私は自分でつま先に革の積み上げを行い修理を行いますが、履きおろし前にトゥスチールを取り付ける加工をしています。
革靴が長持ちしますので試してみてください!
この記事では、つま先の修理方法とトゥスチールの取り付け方法を解説しています。
トゥスチール(ビンテージスチール)は簡単につけることが出来ると大切な革靴を長く履くことが出来ますので、ぜひDIYをトライをしてみてください。
つま先はいつ、どのようにして削れるのか?
レザーソールの靴はビジネスシューズ、ドレスシューズとして使われることが一般的ですが、ゴム製のソールに比べると削れやすい素材です。
新品の状態でトゥースチールを取り付けて削れを防止することをおすすめしますが、削れた部分に新しい革を積み上げることで修復することが可能です。
▸ 新品の靴は硬い為ソールの返りが悪い
▸ 雨に濡れたまま革靴を履き続けた
▸ つま先体重による歩行
おすすめ!簡易的なつま先の補強方法
簡単に取り付けが出来るトゥースチールも販売されていますので、ご自身で簡単に取り付けることが可能です。取り付け方法は下地にGボンド等の合成樹脂製の接着剤を塗布して、トゥースチールを取り付けるだけのシンプルな方法です。
簡単につま先の”削れ”対策が出来る鉄
修理店でつま先を修理する場合
大手靴修理チェーン店の靴専科の料金表を調べてみました。つま先部分をラバー素材で補強する場合は、2,200円。革素材で補強する場合は、2,750円となっています。
本格派!自分でつま先を修理する5つの工程
まずは破損個所の状態を確認していきましょう。
ソールの色抜けは中性洗剤で洗っていることと、雨に濡れたことにより脱色が起きています。また、つま先部分の削れの原因は、雨天時に靴を履いたことと新品でソールの返りが悪かった事が原因です。つま先のソール部分がボロボロ、ウェルトも少し削れてしまい勿体ない状態です。
雨と水は革靴にとって大敵ですので十分に注意しましょう。
・銀ペンで削る範囲の位置決めをします。
・削れている部分と削れていない部分の境目、ギリギリまで削るときれいに仕上がります。
切断面は最小限に抑えたいですが、削れている部分を残しても仕上がりが悪くなりますので思い切りも必要です。
⇒ 関連記事:革靴の修理に使う基本道具5選
ウェルト部分を残して破損した革部分を丁寧に取り除きます。
#60番程度の粗目の紙ヤスリか鉄ヤスリを使う事できれいに仕上げることが出来ます。
- 5mm程度の厚みのある革を補修用に利用します。
- 硬い革を利用(床革、ベンズ革、かかと補修用の革など)
▸屈曲する繊維方向確認して革を切り出します。
▸クラフト用のハサミであれば簡単に切り落とすことが出来ます。
▸ウェルトとソール部分を圧着しながら、切り出した革を接着剤(天然ゴム系接着剤、靴修理用接着剤)で貼り付け。
▸そこそこ綺麗に仕上がりました。補修用の革は油分を含んでいないものを利用すると削りやすいです。
▸革の成型はヤスリ(#60⇒#150⇒#220)の順番で段階的に削ります。
▸革を水で濡らしてハンマーでたたきながら成型するときれいに仕上がります。
▸コバの染色はアルコール染料、シューケアグッズのコバインキを利用します。製靴経験のある方はコバの整え方をご存じと思いますが、色付きのロウを使いコバを整えます。(今回はコバインキを利用しました。)
▸コバインキで着色したらいったん乾燥させます。乾燥を確認したのち、紙やすり#220番手で空研ぎした状態です。この通り綺麗に纏まってきました。
まとめ
手仕事は本当に楽しいですね!
記事の中では紹介していませんが、コバの成型時に製靴技術であるガラスによる削りを行っています。
染色後に紙やすりで研磨することにより、革に輝きが出てきますので達成感があります。
皆さんもご自分で修理を行ってみて、手仕事の楽しさを味わってみてください。
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