レザーソールつま先修理
革の積み上げDIY
・新品を買ったのに、つま先がすぐに削れた
・雨の日に履いてしまい、つま先とウェルトが変形した
・修理に出すとオールソールを勧められた

トゥスチールを付けていない革靴はすぐに削れて困っています。

自分で出来るDIY修理方法を紹介します。
難しくはないですが、根気がいる作業になりますので頑張ってください!
オールソールの回数が減りますので、靴にも財布にも優しい作業です。
つま先はいつ、どのようにして削れるのか?

レザーソールの靴はビジネスシューズ、ドレスシューズとして使われることが一般的ですが、ゴム製のソールに比べると削れやすい素材です。
新品の状態でトゥスチールを取り付けて削れを防止することをおすすめしますが、削れた部分に新しい革を積み上げることで修復を行うことが可能です。
・新品など靴が硬くソールの返りが悪い
・雨に濡れたまま履き続けた
・つま先体重による歩行

心当たりがある方は注意が必要です。
つま先重心の歩き方の方は、雨の日に履き続けるとすぐに痛みますので歩き方、雨天に気を付けてください。

雨の日が一番削れる気がしています。
自分でつま先を修理する5つの行程
- Step1削る範囲の位置決め
削れている部分をマーキングし位置を決める
- Step2革を切る、削る
革切包丁、ヤスリで革を切り出す
- Steo3補修用の革を切り出す
硬く厚みのある革を利用する
- Step4革を接着する
革を接着する。ゴム系溶剤系接着剤を利用
- Step5コバを整え着色する
コバ部分をヤスリ、ガラスで削る

自分でも出来そうな気がしてきました。
Step0/破損個所を確認


ソールの色抜けは中性洗剤で洗っていることと、雨に濡れたことにより脱色が起きています。
つま先部分の削れの原因は、雨天時に靴を履いたこと、新品でソールの返りが悪かった事が原因です。
つま先のソール部分がボロボロ、ウェルトも少し削れてしまい勿体ない状態です。
Step1/削る範囲の位置決め


切断面は最小限に抑えたいですが、削れている部分を残しても仕上がりが悪くなりますので思い切りも必要です。
ちなみに、銀ペンは安いですがドイツ製です。革切り包丁は切れ味を確認し、必要があれば研いでおきましょう。
\ 関連記事:修理に必要な道具を紹介 /
革靴の修理に使う基本道具5選
Step2/革を切る、削る

ウェルトを残してソール部分の革を取り除きます。
革切り包丁、ヤスリ、紙やすり#60を使い根気よく削っていきます。
・削った面が平になるほうが仕上がりが良い
・縫い糸はウェルト上部だけ残し、下部(ソール接地面)は切る
Step3/補修用の革を切り出す

・厚みのある革を利用(5mm)
・硬い革を利用(床革、ベンズ革、かかと補修用の革)

▲屈曲する繊維方法を確認してから革を切り出します。

▲クラフト用はさみであれば5mmの革でも簡単に切り出せます。
Step4/革を接着する


ウェルトとソール部分を圧着しながら、切り出した革を接着剤(天然ゴム系接着剤、靴修理用接着剤)で貼り付け。
Step5/コバを整え着色する

そこそこ綺麗に仕上がりました。補修用の革は油脂(油分)を含んでいないものを利用すると削りやすいです。
革の成型はヤスリ(#60▶#150▶#220)で段階的に削ります。
革を水で濡らしハンマーでたたきながら成型するときれいに仕上がります。
・ヤスリ掛けは番手の小さいほうから順番に作業
・革は水で濡らしながらハンマーで成型

革の成型はとても根気のいる作業です。
ヤスリの番手を考えながら効率的に作業しましょう。

▲コバの染色はアルコール染料、シューケアグッズのコバインキを利用します。製靴経験のある方はコバの整え方をご存じと思いますが、色付きのロウを使いコバを整えます。(今回はコバインキを利用しました。)

▲コバインキで着色しいったん乾燥させます。乾燥を確認した後、紙やすり♯220番手で空研ぎした状態です。この通り綺麗にまとまってきました。
まとめ、今回使用した道具を紹介します
手仕事は本当に楽しいですね!記事の中では紹介していませんが、コバの成型に製靴技術であるガラスによる削りを行っています。(どこかで記事にしたいと思っています。)
染色後に紙やすりで研磨することにより、革に輝きが出てきますので達成感があり、最も好きな工程です。
皆さんもご自分で修理を行ってみて、手仕事の楽しさを味わってみてください。

🌸よくできました🌸
\ 今回利用した道具を紹介 /
▲水溶性で使いやすく、色が鮮やかです。皮革用液体染料ですのでコバの染色以外にアッパー部分の染色にも利用できます。色褪せなど気になる部分に利用すると効果的です。
▲磨きのプロたちが創り上げるBoot Blackシリーズ。エッジカラー(革底靴コバ専用補色インキ)染料以外に樹脂を含んでいる為乾燥後の磨きで出ます。非常に使いやすい為おすすめの一品です。
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