ローファーやワークブーツは起毛革の素材で出来ているものが多く、水に強く、雨の日用に利用される方も多いと思います。それでは、起毛革は本当に水に強いのか?起毛革はそのまま使うと水や汚れに弱いですが、防水スプレーの利用など保護をしやすい素材です。そのため、雨天時に利用される方が多く、アウトドアやガーデニング用の手袋、革靴、ジャケット、バックなど様々な用途で使われる万能素材です。
この記事では、起毛革のお手入れ方法を解説しています。起毛革はお手入れの方法によっては起毛が瘦せてしまうリスクがありますので、素材(革)の特徴を抑えてお手入れを行ってみてください。
起毛革の種類|スエード・ヌバック・ベロア
起毛革には、スエード、ベロア、ヌバックといった種類があります。これらの違いは、使われている牛の部位や年齢によって異なります。
スエード
スエードは牛革の裏面を起毛させたもので、仔牛の皮が原皮として使用されます。そのため、手触りが柔らかく、繊細な見た目が特徴です。高級素材として、革靴やコートなどによく使用されます。
ベロア
ベロアもスエードと同様に、牛革の裏面を起毛させたものです。ただし、原皮には成牛の皮が使用されます。そのため、スエードに比べて毛足が長く、厚みがあり丈夫な素材となります。スエードが高級なドレスシューズなどに使用される一方で、ベロアはアウトドアシューズやデザートブーツなど、耐久性が求められる革靴によく使用されます。
※ベロアの素材は化学繊維や人工皮革の呼称にも使われるようです。
ヌバック
ヌバックは、先述した2つの革と異なり、革の表面(銀面)を起毛させたものです。一般的に革の表面を加工することでスムースレザーと同じ特徴を持つため、スムースレザーを起毛させたものがヌバックと言えるでしょう。
起毛革のお手入れ方法3ステップ
ブラッシングで起毛を立たせ、毛に挟まったごみを払います。
通常は生ゴムを使用して汚れを落とします。ひどい汚れの場合アセトンの有機溶剤で汚れを落とします。※革の染色も落ちる可能性があるため注意が必要。
栄養補給にスプレータイプの栄養ワックスを噴霧します。
基本はブラッシング ただし、やりすぎは厳禁!
起毛革はブラッシングが基本です!雨にぬれたり利用時間が長くなると、起毛が寝てしまい全体的に色あせた印象になります。少しし硬めの豚毛ブラシを利用し、起毛の繊維方向と逆向きにブラッシングをしてあげてください。
目安としては起毛革の色が濃くなったことを確認すると判断しやすいです。一般的に真鍮製のブラシなど、金属製のワイヤーブラシを推奨されていますが、起毛が取れてしましますので過度な利用は避けて優しくブラッシングをしてあげてください。
起毛革の汚れ落としの方法とコツ
擦り傷や雨染みなどの黒く変色する汚れが多いですが、専用の生ゴムクリーナーや液体の皮革用クリーナーを利用し汚れを落としていきます。生ゴムクリーナーを利用する場合は、起毛革を擦り汚れを落としますので、多用すると革が痩せてしまします。擦りすぎには十分注意しましょう。
付着物によって液体のクリーナーやアセトン、アルコールを利用しますが、利用する際は綿棒などを利用し、汚れが付着している部分のみ使用してください。皮革製品は染色されているため、強力な液体クリーナーを利用した場合、色落ちの恐れもありますので注意が必要です。
仕上げは、起毛革に栄養を与えて艶を引き立たせる
スプレータイプの起毛革専用の栄養剤が市販されています。液体・スプレータイプの物は有機溶剤不使用の物が多い為おすすめです。シリコンオイル、天然オイルを主成分とした栄養剤を多く目にします。栄養剤を噴霧後にブラシで優しく伸ばすようにブラッシングしていきましょう。起毛革がしっとりすると完成です。
まとめ、お手入れのコツ
スエードなどの起毛革のお手入れを行っている方は多いですし、方法を知らない方もいらっしゃいます。「起毛」の革ですので、毛を起こしてあげるとがお手入れの特徴です。暖かくなる春先にはローファーを履いたり、季節的に急な雨も多くなりますので起毛革の革靴は春から夏にかけて重宝する素材と思います。お手入れも簡単ですので、特に”やりすぎに注意!”してお手入れを楽しんでみてください。
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